環境分析における不確かさとその求め方 CD-ROM付
hon13 環境計量必携・第2版
◆高谷 晴生・秦 勝一郎/共著
A5判 318頁 本体価格 4,600円+税
平成18年11月30日 発刊
<本書“はじめに”より>
化学測定に「不確かさ」を付ける時代になった。今までは繰り返しの精度で良しとされていたが,絶対的な測定が必要とされる時代に変わったといえる。このような時代の要請に従い,(独)産業技術総合研究所 計量研修センターによる環境計量に関わる研修でも,「不確かさ」の講習が行われている。
本書は,この講習の内容を中心にまとめたものである。JIS K 0103「排ガス中の硫黄酸化物分析方法」を対象に,「不確かさ」の推定をする方法と確かな分析技術を有することを証明するための 数による判定について説明した。講習は排ガスのモデルガスとしてJCSSの二酸化硫黄標準ガスを使い,二酸化硫黄の過酸化水素吸収液への吸収,採取ガス量の測定,硫酸イオン標準液の調製,回帰検量線の作成,吸収液中の硫酸イオン濃度の測定および測定値とその「不確かさ」の推定などの多様な過程から成り立っている。さらに,分析の事前の準備としてガラス製体積計やガスメーターの「不確かさ」の推定も含まれる。
「不確かさ」は「統計学」の一部であり,「統計学」なしに「不確かさ」を説明することはできない。しかし,幸いなことに,「統計計算」は身近にあるパソコンで簡単に計算できる時代になっている。そこで,本書では,パソコンで計算することにも重点を置いて「不確かさ」の推定をする手順を説明した。(後略)