- 2022年度受講者Kさん
私は会社で実際に分析作業は行わず、関係会社が行う分析作業の立会や結果の確認等を行う業務に携わっており、分析作業に関する実務経験はありません。また、工業高校卒であり、高等学校普通科で履修する数学・化学の基礎はまったくできていません。 正直なところ、今年はモチベーションがあまり続かず、夏頃の日本環境測定分析協会の受験準備基礎講習も数回視聴した程度であり、勉強時間もあまり確保できず、勉強の出来栄えとしては良いものではありませんでした。
やる気もあまり出ない中、このままだと今年の合格は難しいかなと思っていた矢先、転機となったのは11月上旬に受験した別の国家資格試験でした。事前に講習を済ませていたため法令以外は免除となり法令のみの受験であったことから、環境計量士と同時に受験申し込みをしていましたが、その試験結果が微妙な結果であったことから、このままでは環境計量士の試験もまずいかもと危機感でスイッチが入ったのか、その日から勉強のモチベーションがアップし、能率が格段に上昇しました。とはいえ、期間も1カ月しか残されておらず、効率的な勉強が求められました。
特に濃度関係は分析対象の幅が広く、個別の物質ごと、個別の測定方法ごとに覚える必要のある項目が山ほどあり苦戦しました。会社の昼休みでは昼食後eラーニングの過去問を毎日実施し、正答の回答をよく読み、問題自体を覚えるのではなく問われている設問の内容を理解するように集中しました。また、直前講習会の動画を何回も拝聴し、お風呂の時間、毎日寝る前にスマートフォンで拝聴しながら何度も見返し、気が付いたら寝落ちするということを繰り返して勉強しました。当方は工業高校卒で化学の基礎学力は不足しており、さらに分析の実務経験はないことから、環化、環濃いずれも苦戦しました。環化は理解できない問題も多かったため、まずは法令の5問を確実に取ることを優先しました。環濃は現場の立会等の時間を利用して、委託先の分析作業を拝見したり、JISを確認して内容を深堀する等、業務の中でも環境計量士に役立つよう意識しました。
勉強時間としては平均として平日2~4時間、休日3~5時間程度だったと思います。当日の試験においては、環化・環濃合計50問中28問正答でなんとか合格できましたが、試験結果としてはケアレスミスも目立つ出来栄えでした。特に後から見返せばどう考えても正答が分かる問題を2問間違えておりました。今回の試験では試験時間に結構余裕があったことから、一度解答後に全体をもう一度考え直して見直す必要性を強く感じました。無事、濃度関係と騒音・振動関係の両方についてストレートで合格を果たすことができましたが、個人的には環音が試験範囲も狭く楽に感じたため、先に騒音・振動関係に挑戦したことが良い方向に働いたと思います。特に濃度関係では法規と管理を免除で挑戦できたのは大きいと思います。
しかしながら、知人は逆に騒音・振動関係の方が難しいとも申しておりますので、そこは個々人の特性や得意分野に合わせて先に取得する分野を検討するのは重要だと思います。
数学が得意なのであれば、少し遠回りですが一般計量士を先に取得し、法規と管理の免除を受けるのも有効かもしれません。
あとは誰にでも進められるものではないですが、毎日何か月も同じ勉強だと集中力も続かないと思いますので、何か簡単な試験でもいいのでウォーミングアップで受験するのも個人的には良いと思います。このたびは日本環境測定分析協会、各講師の皆様方には大変強いお力添えをいただきましたことを感謝します。